前提:
まず前提として、SHARP、そしてAQUOSというブランドには好意を持っている。
X68000から、ZaurusはもちろんW-ZERO3も愛用していたし、我が家の4台の液晶TVと、2台のHDDレコーダーはAQUOSだ。
職場で愛用している電卓はCASIOではなくSHARPであり、他のメーカーと比べ贔屓目に見ているところは否めない。
しかしAndroidスマフォというカテゴリにおいては、HTC、Sony(ericsson)、Sumsung、AndroidタブレットでもASUS、LG、と海外組ばかりを利用している。
我ながら、非国民め!と思うも、やはり国内のみという狭い市場では競争力にも欠け、魅力は薄いと感じていた。
そんな海外贔屓の私にも、魅力的な製品「SH-06F」が登場する。
Galaxy Note初代→Galaxy Note2ときて、Xperia Z Ultraのdocomo販売を待ち続けた大画面至上主義な私が、普段持ち歩け通話もできる7inchタブレットに食指を伸ばすのは、当然の方向だろう。
※順当に行けばGalaxy Note3だが、さすがにNote2から機種変更するほどの魅力には欠けた。
総評:
「画面が大きいスマフォ」
「通話もできるタブレット」
どちらで売ろうとしているのか、曖昧に感じる。
<ファブレットブームに乗せたいが、時間がないので中身はタブレットのままで>
もしくは、
<AQUOS PHONEが売れなくなるので、PADはこのくらいで>
という制約があったのかと、邪推してしまうレベルである。
・タッチペン別売り→必要な方だけどうぞ
・充電台の廃止→基本的に持ち歩きましょう
・通話スピーカの追加→通話用ガラケーはもういらない
と、スマフォの置き換えを目指すも、大人の事情があったのだろうか?
大人の事情でないのならば、詰め込みすぎた結果のチューニング不足であり、まだまだ「ガラスマ」は世界レベルに達していないのか、と残念に思う。
ハード:
・無線LANの問題
通常の無線LANのOn、及びテザリングのOnに失敗する。
一度現象が起こると、再起動までOnにできない。
AOSSを疑い無効にするも、効果なし。
・音量が小さい
筐体の小型軽量化の弊害か、内蔵スピーカの音量が小さい。
通話スピーカの音量も小さく、最大ボリュームでも通話に支障があるレベル。
※Kernelの設定でブーストできるはずで、ソフトの問題とも言える。
例えばSC-02EはカスタムROM(巣のAndroid)では音量が小さいが、DoCoMo純正ROMは最大だと音割れするほどの音量になる。
音割れは如何なものか?と思うが、聞こえないよりは(必要なら下げればいい)音量の余裕があるほうがマシだと思う。
・タッチパネルの誤爆
画面に触れる前に反応すること多々。逆もしかり。
左右フリック操作を斜めと認識し、無効になることもしばしば。
※これは左右フリック時に、上下を無効にする範囲の調整にもよるので、ソフトの問題とも。
・電源ボタンの押しづらさ
デザイン優先で音量ボタンの対角にあり、電源ボタンだけを押すことが難しい。
電源と音量を同時に押すと片方は無視される為、急いで消灯したい時に消せずイライラすることも。
・外光センサーの誤爆
暗闇でふとした拍子に明るさが増し、うぉまぶし!と。
もしかすると「真っ暗=センサー故障=明るさを標準に」という制御が動いてしまうのかもしれない。つまり、これもソフトかも。
・液晶のSHARPなのに…
IGZOの特性であれば省電力とのトレードオフなのかもしれないが、発色が悪く、また視野角が狭い。
画面が大きいことから、光源から避けるために意図的に斜めから見る、というシチュエーションは多いが、斜めからは驚きの白さである。
※頭上の照明や、太陽、電車内の蛍光灯など、真正面から見るには障害となる光源と視線をずらす目的で、斜めから覗く機会は多い。
※過去2年近く有機ELを見続けていたことで目が肥えているので、IGZOにはハードル高すぎとも言えるが…
ソフト(不具合):
・通話時、こちらの声が相手に届かない
今のところ2回発生、通話頻度から考えると多い。
・Googleカレンダーとの同期が漏れる
同期自体は成功しているように見えるが、実際は追加した予定が表示されず、
Web版Googleカレンダーを見ると追加されている、というケースが2度。
いづれも繰り返し予定だったことから、Android OS側の問題の可能性も考えられるが、SH-06F以外で同現象が起きた事は1度もない。
「書ノート」の「privKAKU_Notebook」がアカウントとして存在しており、何か悪さをしているようにも思える。
※復旧は、googleアカウントのカレンダー同期を停止→「カレンダー同期」アプリのデータ消去→再起動→googleアカウントのカレンダー同期を開始
・内蔵ストレージのマウント位置の謎
/mnt/sdcard/~
/storage/emulated/0/~
/storage/sdcard0/~
/sdcard/~
と、複数箇所にマウントされている。
いづれも実体は1つだが、例えばカメラ画像などはsdcard/DCIMの下に作成され、ギャラリーから見ると1枚撮影するごとに4枚以上同じ画像が表示されてしまう。
※しばらく運用してから気付いたので、本体初期化でどうなるか別途検証
・DTCP転送
時間がかかるので就寝前などに複数指定して書き出しておきたいが、2本目以降は機器(nasne)を見失い失敗する。
1本ずつ指定すれば成功するので、スリープ時の挙動に問題があるのだろう。
なお、nasne ACCESSなど他のアプリでは問題ない。
ソフト(仕様):
・DTCP転送
Xperia Tabletでは対応しているmicroSD側ストレージへの転送はできず、
内蔵ストレージのみとなる為、2~3時間分のHD放送で残容量が尽きる。
この内蔵ストレージはGmail等のキャッシュにも使われる為、
ギリギリまで利用してしまうと「空きエリアがない為、同期に失敗」となる。
・アナザービューの存在感(のなさ)
大画面を生かしたコンテンツの1つである、アナザービュー(移動自在な小型の窓に、専用のアプリかウィジェットを配置)だが、メーカー純正アプリかウィジェットのみの対応。
※Galaxy Noteにも同様の画面分割機能があり、対応アプリで有効となる。
こちらは、ChromeやG-Mail、TwitterなどSumsung製以外のアプリについても、対応が進んでいる。
・ナビゲーションバーの配置
「戻る」さえ右にあれば、ある程度の片手操作は可能だが、変更できない。
なお他のAQUOS PHONEで配置変更可能なものがある。
・画面縮小表示が実装されていない
大画面ゆえ片手操作時に画面を縮小する機能がAQUOS PHONEにはあるが、
AQUOS PADには搭載されていない。
せっかく通話スピーカを実装してスマフォから乗換えを促しても、
これでは片手落ち。
~最後、2つは実装されているものと誤解して購入したところもあり、非常に残念だった~
そんな不満だらけな中にも関心したところ:
・AptX対応
音質はともかく遅延が少ないのは、動画視聴において有利。
・Bluetoothテザリング対応
やはり省電力、かつ常時Onにできる利便性は高い。
・軽量
7inchであることを時に忘れる軽さ。
Galaxy Noteに持ち替えると、何故こんなに小さい(※)のに重いのか、と思う。
※Galaxy Noteも大きいほうだが、慣れとは恐ろしい…
・省電力
この軽さにバッテリー容量が気になるところだが、
・1時間の動画再生
・200件のRSSリーダーによる記事閲覧
・2~30件のGmailの閲覧
これで、自宅~出社~帰宅の17時間を経ても20%程度の空きがある。
※…17時間に(?)と思った方は、「IT土方」で検索するといい
結論:
しばらく我慢して使ってはみたものの、「我慢しなければいけない」ことに我慢できなくなった為、Galaxy Note2の復活、もしくはNote3の購入を検討中。
SH-06Fは動画視聴用の持ち歩き画面とし、ソフトウェアアップデートを待つ方向で。近々VOLTE対応のアップデートがあり、同時に不具合改修もされているのではないか、と淡い期待を持ちつつ…